TikTokで話題沸騰!『桜のような僕の恋人』あらすじと感想|涙が止まらない、切ない恋の物語

「ファストフォアード症候群」またの名を「早老病」。

20歳を過ぎて発症し、常人の数十倍の速度で年を取る病気。治療法も確立していない。

本書は「人より早く老いる病気」がテーマの恋愛小説です。

あなたが、もしくはあなたの大切な存在がこの難病を発症したら何を思い日々を生きるのか。

大切な存在がいる方にぜひとも読んでほしい一冊です。

それでは最後まで読んでみてくださいね。

「桜のような僕の恋人」はこんな人におすすめ!

  • 彼氏彼女がいるが、「好き」という気持ちを伝えきれているか分からない。
  • ずっと片思いをしているけど、自分の思いをまだ伝えられていない。
  • 切ない恋愛小説を読んでみたい。

「桜のような僕の恋人」のあらすじ

桜を見ると思い出す。どれだけ時間が流れても、やっぱりどうしようもなく君を思ってしまうんだ。

ー プロローグ -

朝倉晴人あさくらはるとは美容師の有明美咲ありあけみさきに一目ぼれをしていました。

ある春の日、晴人は美咲をお花見デートに誘おうとしますが、それは思いもしない変な形で叶えられます。

誘えたのは良いものの、晴人は美咲に見栄を張るため「自分はプロのカメラマン」だと嘘をついていたことを今になって後悔します。

実際はあまりの多忙さと、先輩にどやされ続ける毎日に耐えられず、一年足らずでスタジオを辞めていました。

そのことを美咲に告白すると、「なぜ嘘をついていたのか」と当然のごとく説教を食らいます。

しかし、その説教を「自分のためにもっと頑張れと言ってくれている」と解釈し感激した晴人は、

「あなたに相応しい男になって見せます!」ともう一度カメラマンの道を歩みだしました。

その後もデートを重ね、ストレートに好意に伝えてくる晴人に対して、だんだんと美咲も心を開くようになります。

やがて2人は付き合い、幸せな思い出も少しずつ増えていきます。

その一方、美咲は自分の体に異常が起きていることに気づき始めていました。

病院で検査を受けてみると、自分がとんでもない病魔に侵されていることが分かります。

それが、「早老病」。発症から一年もたたずに外見も老人のように変貌してしまう難病。

この病気がきっかけで物語は急激に動き出すことになります。

「桜のような僕の恋人」の感想

ここからは、実際に僕が読んでみての感想です。

人より早く老いることの恐ろしさ

頬を伝う涙は痛いほど温かい。それらが残酷なまでに告げる。お前は助からない病気なんだ。
そしてもうすぐ老婆になって死んでいくのだと。

ー 第二章 -

美咲が「早老病」だと診断されてからというもの、物語は一気にシリアスになるため、前半の幸せな恋愛はまるで嘘のようでした。

美咲には一緒に暮らしている兄、貴司たかしと近々結婚式を挙げる予定の彼女、綾乃あやのがいます。

この二人が美咲を看病することになるのですが、読み進めるほどに大切な存在が自分より早く老いてしまうことの悲しさを思い知らされます。

美咲が貴司に「妹なのにお兄ちゃんより年上になってごめんね」と言うシーンでは何もしてあげられない、悲痛な気持ちになりました。

人生は何が起こるかわからないもの、そして何事もなく生きている日常を大事にしなければならないということを改めて実感させられました。

美咲の本当の気持ち

『ねぇ、晴人君、私のこと、もう忘れて……』

ー 第三章 -

早老病だと診断されてすぐに美咲は、晴人と無理やり別れることにしました。

なぜなら好きな人に自分の老いていく姿を見せたくなかったから。

怖いし辛いし、本当は甘えたい、ずっとそばにいてほしい。

そんな気持ちを心にしまって、晴人のことを自分から遠ざけた美咲は本当に強かったと思います。

実際読んでいて、胸が張り裂けそうになりました。

好きな人に「好き」と伝えたくても伝えられない人が、美咲のようにこの世界にはいるのです。

あなたには今、大切な人がいますか?伝えられるだけの愛を言葉にできているでしょうか。

「桜のような僕の恋人」まとめ

あの夏、君はたった一人で老いていく恐怖と戦っていたんだ。
それなのに僕は……それなのに……。

ー 第四章 -

晴人はカメラマンの仕事を続けていましたが、美咲と離れてからもずっと彼女のことを思い続けていました。

物語の終盤で晴人は、美咲が「早老病」を発症していたことを知ります。

恋人が病気に苦しんでいる間、何もできなかった自分を心の底から悔やみますが、

今からでも美咲に自分がしてあげられることはないかと、晴人は考えます。

それはカメラでした。美咲があの日説教ながらも「頑張れ!」と自分を奮い立たせてくれたもの。

僕は、最初のヘタレ具合から、ここまで立派に成長を遂げた晴人をみて感動してしまいました。

晴人がどんな思いで、どんな写真をカメラに収めたのか。

この先はあなた自身で読んでみるべきです。

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