今回は「犬がいた季節」を書評していきます!
「犬のコーシローが12年間見つめた地方の進学校に通う18歳の青春『犬がいた季節』伊吹有喜インタビュー」
↑こちらのインタビュー記事も参考にしています!
「犬がいた季節」はどんな人におすすめ?
ということで「犬がいた季節」の登場人物たちから、共感できそうなポイントをまとめました!
当てはまる数が多いほど、実際に読んでみるのをおすすめします!
- 白くてふわふわの犬が好き!
- 犬を飼っている、飼っていたことがある
- 高校時代に戻りたい、思い出したい
- 高校時代に流行っていた曲が好きだった
- 青春小説が好き!
この中で2つ以上、あなたとの共通点がある場合、きっとこの本は刺さると思います。
特に、犬と青春小説が好きな20~30代の方におすすめします!
当時の高校時代の恋愛や夢、友情を思い出しながら読んでみてくださいね。
「犬がいた季節」の簡単なあらすじ
三重の高校を舞台に、犬のコーシローと過ごす1988年から2000年の12年間を綴った短編連作集。
第一話 めぐる塩の音
昭和63(1988)年度卒業生 昭和の終わり、淡く切ない恋の物語。
第二話 セナと走った日
平成3(1991)年度卒業生 鈴鹿でのF1グランプリに熱狂する2人の友情の物語。
第三話 明日の行方
平成6(1994)年度卒業生 阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件の絶望と、明日を変える希望の物語。
第四話 スカーレットの夏
平成9(1997)年度卒業生 スピッツの「スカーレット」と共に、夜明けを開く物語
第五話 永遠にする方法
平成11(1999)年度卒業生 ノストラダムスの大予言、世界の終わりと永遠の物語
最終話 犬がいた季節
令和元(2019)年夏 卒業生たちとコーシローのその後の物語
元は捨て犬だったコーシローを八稜高校の「コーシローを世話をする会」で飼うことになった。
12年間、生徒と絆を紡いでいく中で何を見て、何を感じたのか。
18歳の恋や友情を犬のコーシローが寄り添った、温かくて切ない青春小説。
「犬がいた季節」の感想を引用付きで!(ネタバレなし)
ここからは実際に読んでみての感想です。
犬のコーシローとユウカさん
コーシローは、白くてふわふわで人懐っこい犬です。
初めは捨て犬で、砂まみれになって八稜高校に迷い込みました。
しかし、迷い込んでからというもの、学校のみんなに可愛がられるようになります。
やがて高校で正式に飼われるようになってからは、学校内をリード無しで自由気ままに過ごします。
生徒と同じように廊下を歩き回り、授業を後ろの方で黙って聞いていることもあります。
犬と一緒に過ごす学校生活、私もそんな青春を送りたかった!!!
また、コーシローは賢い犬だったので、人の言葉を理解できたり、人の匂いの変化から心の動きを察することができます。
作中では、恋愛のきっかけを作ろうとしたり、変な噂話をしている人に怒って吠えたり、優しくて人間味のある犬です。
そして、学校生活を人と共に過ごしていく上で、もう一つ理解しなければならないことがありました。
桜のつぼみの匂いがしたら、この場所から去っていく生徒がいること。
つまり、卒業です。
彼らは、一度去ってしまったら、基本戻ってくることはありません。
どんなに仲良くなったとしても、3年後には自分の日常からいなくなってしまうのは寂しいことです。
それでも、夏になったら決まって会いに来てくれる特別な少女もいました。
その少女は、ユウカといってコーシローが一番懐いている生徒でした。
会いたくなってユウカの匂いを探しているコーシローが切なくて、愛おしかったです。
(あいたいなぁ、ユウカさん)
今度、あの匂いを感じたら、真っ先に彼女のもとに走って、全身で喜びを伝えたい。
だから、どこにいてもユウカの匂いを探している。ー 犬がいた季節 -
ユウカとコーシローの関係は「犬がいた季節」の中でも見どころの一つなので、ぜひ注目して読んでみてくださいね。
作中に登場する「その時代の名曲」
「犬がいた季節」では、その時代の名曲が話の中に使われており、6つの物語それぞれのエンディングを意識して選んだとのこと。
第四話「スカーレットの夏」(1997年)では、スピッツの「スカーレット」が作中で登場して、登場人物が歌っています。
離さない このまま 時が流れても
ひとつだけ 小さな 赤い灯を
守り続けて いくよスピッツの「スカーレット」だ。
声に導かれるように、夜明けの光が差してきた。ー 犬がいた季節 -
「スカーレット」は私自身、好きな曲だったので、歌詞が出てきた際は一人で盛り上がっていました(笑)
途中でどうしても聞きたくなり、曲を流しながら読んでいましたが、第四話の内容と合っていたのはエンディングを意識していたからだったんですね。
他にも登場する曲は、第一話「めぐる塩の音」(1988年)は氷室京介の『FLOWERS for ALGERNON』、第五話「永遠にする方法」(1999年)はGLAYの『HOWEVER』と時代の名曲が登場します。
あなたが高校時代聞いていた曲がもしかしたら「犬がいた季節」で登場するかも?
また、一つの物語を読み終えた際は、エンディングとして聞いてみるのもいいかもしれませんね。
「犬がいた季節」まとめ
今回は、犬のコーシローと過ごす青春小説「犬がいた季節」を書評しました。
実際に読むと、コーシローの優しさと、青春時代の懐かしさに何度も胸が苦しくなると思います。
そして読み終えた際には、ブックカバーを外してみてください。
素敵なサプライズが待っていますから。
この物語を通して、「時代が移っても変わらないもの」をあなたなりに見つけてみてくださいね。
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